KH-9 偵察衛星
久しぶりの航空宇宙の記事です。
KH-9 偵察衛星。
1971~86年に使われました。
巨大な衛星。前方反射膜のところはマッピングカメラ。
この時代、高解像度の画像を得るためにはフィルムを使わざるを得ませんでした。高解像データの撮影素子はなく、膨大な容量のデータリンクも不可能。
目標位置をマッピングカメラで特定し、フィルム式のパノラマカメラで撮影。
たぶんフィルムは今は無き、イーストマン・コダック製だったでありましょう。
撮影したフィルムはどう回収したのか?
お椀状のものは・・・再突入体。これが4つ搭載されています。
この中に複雑な機構で撮影済みフィルムを入れ、本体から切り離して大気圏内に再突入させます。
この四つを投下したら、高額な衛星の役目は終わりです。
突入体はパラシュートを開いたところで空中で回収。
そのための専用機体もありました。
温度・湿度の管理が大変なフィルムを宇宙線が飛び交う大気圏外で維持し、それを正確な位置で再突入させるとは・・・アメリカの技術の底深さと冷戦の狂気を感じる衛星でした。
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