TC380、赤城山で感じたこと。
備忘もかねて。
日曜のお昼前後で、自転車ツーリストも多くて攻めたわけではありませんが・・・TC380、本当に素直。ニュートラル。
Sモード、DCCDオート、VSCオン。
TC380基準車なので、AMSフロントブレース以外はシャシー、タイヤは標準車のWRX STIと同じ。
標準のカヤバダンパー、ダンロップSPスポーツMAX245/40R18。
レカロのセミバケTC380専用シートをワンノッチ前へ。ダイアル式リクライニングを肩が常につくくらいに。
旧料金所過ぎて最初のタイトコーナー。
ステアリングがスルスル切れる。超扁平タイヤのような不自然な引っかかりが全くない。
「やはりWRXは18インチだよなぁ・・・」と心から思う。
今や絶滅寸前の油圧パワステ。過剰な制御が入っていない。
ステアリングギヤ比もS207のような11:1でなく13.6:1でとても自然。
3速で踏んで行ってもトルクが結構低速から盛り上がり、ほとんどの場面は3速と4速でOK。
タイトコーナーでは2速まで落としますが、ずぼら運転かつ飛ばす気がなければ3速だけで登りきれそう。
それほどトルクに余裕がある。
緩いカーブと直線エリア。
ここはもう踏めば出るので安全第一。
たまたま先行車が慣れたランエボで結構速いペースしかし安全運転。
車間しっかりあけてついていく。
50kを超えるトルクは上りこう配を全く感じさせない。踏めば出る戻せば落ちる。ここもとても自然な感じでハイチューンターボ車の違和感全くなし。このあたりは前車のアライモータースポーツSTEP2のチューンをしたGRBに大変よく似ています。
コーナーリングエリア。
ランエボと自転車をパスしながら。
時に10km/h以下まで落として抜けるチャンスを待ちます。
大きな負荷をかけるとやはり排気音は大きく、驚かすのも嫌なので出だし1速でタービン回転上げてすぐ2速でスルスルと加速。
短い直線で自転車との間隔大きくあけて追い抜き。お礼のハザード。
十分距離あけた後車線に戻り、一瞬の強めのブレーキで荷重移動、ブレーキ離してターンインしながら脱出加速。
ピッチング一発、ロール一発を心がけて。
アクセルに比例してきちんと加速。結構急な上りカーブを。
クラッチ・ミションももともとラリーベースに使えるくらい余裕があるので、この程度では強度・耐久性に全く不安を感じません。
納車時、ギリギリ各クリアランスを詰めてくれて(私の好みを覚えてくれていたようで)非常に硬かったミッションもいまではスコスコ正確に入るようになり最高。
速度抑制バンプ。
これはイニシャルDの副作用だと思います。赤城もAKINA(榛名山)も、楽しい複合連続コーナーに標準装備?になってしまいました・・・
最近は背が少し低くなってきたような気もしますが。
S207とこれは相性最悪で、低いフロントスポイラーを破壊されそうなくらいピッチングします。
ビルシュタインのダンプマチックⅡはこういった路面には全く対応できません。
ところがTC380(WRX STI標準車)のカヤバダンパーと18インチタイヤ、アライモータースポーツTC380専用カーボンフロントスポイラーは過度に構えなくても適度なピッチングで軽く乗り越えてくれます。
最低地上高は本当に大切です。S207 135mm、TC380 140mmとカタログ上は5mmしか違わないはずなのに。
ベースの18インチWRX STI標準車の素晴らしさ、改めて感じました。
TC380細かい制御をしてくれているのでしょうが、黒子に徹してくれていて。
レカロセミバケはしっかり腿と肩を押さえてくれ、ステアリングとの相対位置を変えないでくれます。
出来るだけ持ち替え無で正確に回すことを心がけると、TC380のステアリングは非常にリニアに車の向きを変えてくれます。
楽しい時間は頂上近くで前がつかえてきて終わりましたが、夜中全開で走った昔はともかく、おとなしめに走ってパワー不足を一度も感じずに登り切ったのは初めての経験かもしれません。
ボディとサスが喧嘩せずに動いてくれて、ともかく自然。
奥は赤城総合案内所。
ダウンヒル。
「下り最速」なんてわけにはいきません。40km/hで飛ばす自転車。一般車。
飛ばす自転車がタイヤバースト等で転倒しても絶対よけられる走り方。
並走は間隔十分あけてできる限り短時間で。
前に戻る時は絶対に邪魔しないタイミングで。
自転車が多かったのでうまく共存できる走り方がわかってきました。
しかし、今日日の自転車は速いです。
スーツ着た革靴での運転でしたが、ペダル類も滑ることもなく多少やりにくい程度でヒール&トウも可能でTC380(WRX STI)の汎用性を感じられました。TC380専用レカロシートもスーツにも対応。これならビジネスエクスプレスとしても不満なし。
TC380の大トルクは山道の運転をきわめて楽にしてくれて、あらゆるところの使い勝手が国産車標準で使いやすく(たとえば古いコンビニの輪留めに前から突っ込んでもスポイラーこすらない)これは気取らない最強のチューニングカーだと思いました。
やはり車は(特にAWDなら)、難しいことは言わないでパワー・トルクはあればあるだけ良いと思いました。
スバル純正でこういった車を出すのは平均燃費規制等で厳しいのは理解しています。
技術でピークパワートルクを確保しても、どうしてもTC380のように、ここ一番で燃料吹いて、ということはできないクレバー(米国英語ではあまり良いニュアンスでない)な高性能車になりかねないのがわかっていても、スバルにはハイパワー車へのチャレンジを続けてほしいです。
TC380に実際に3500km以上乗ってみて、S207にも45000km以上乗ってみて、改めてわかった実トルク・パワーの偉大さでした。
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コメント
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STELLA55さん、こんばんは。
TC380のインプレッション、いつもとても興味深く読ませていただいております。
耳学問&VABには乗ったことがないのに恐縮ですが、やはりコンプリートカーのRA-Rについてのネット上の評判と比べるとTC380は本当に良いんだなと感じます。
RA-Rは足回りに関する評価が一様に良くなく、路面のスムーズなサーキットならともかくも多少なりともバンプのある路面での動きには首を傾げる意見も多いです。
パワーで50psも上回るTC380のインプレッションを読ませていただくとSTELLA55さんのおっしゃるSTiの一つの方向ということがよくわかります。
熟成の域に達したWRX STiを知り尽くすアライモータースポーツさんがベース車の良いところはそのまま残して手を入れられたTC380がロードでは素晴らしいパフォーマンスを発揮するんでしょう。
拝読していて感動しております。
投稿: MABE | 2019年4月16日 (火) 21時17分
MABEさん
”素の”TC380がこんなにバランスが良いとは驚きました。
308馬力、43kgf・mのスペックの車に380馬力、52kgf・mのチューンドエンジンを、フロントブレース追加だけで”ぶち込んだ”、じゃじゃ馬を想定していましたが良い意味で裏切られました。
ノーマル量産車並みの耐久性は望めないでしょうが、公道走るくらいなら問題はありません。
この車は、オイルクーラーだけつけてこのまま乗るか、オーリンズDFVにハイパフォーマンスタイヤ基準で徹底的にチューニングしていくかどちらかだと思います。
個人の好みの範疇ですが、ノーマルTC380の走り味は私にとって本当に好みで、ベース車の実力と新井選手の鼻薬、そして大パワーエンジンのコンビネーションの素晴らしさを多くの方に知らせていきたいです。
S207とかRA-Rのエンジンは素晴らしい回転フィーリングをもち、ガンガン走る感じでなくその最高のフィールを楽しむ車かなと思います。
VABのWRX STIは安易に最低地上高を下げては絶対ダメだと感じています。
下げるならオーリンズDFVのWRX用のごとくF10kgf/mmクラスの強靭なバネとダンパーでバンプラバーに当てないようなサスを組むべきです。
VABからラリーは考えていないはずですが、それでも”WRX(ワールドラリーX)”の名は伊達ではありません。
投稿: STELLA55 | 2019年4月17日 (水) 00時09分
STELLA55さん、MABEさん
お晩です。今日は国分町で、ダウンヒル状態でした(汗)TC380のインプレ楽しにさせていただいておりますが、S207もお持ちで比較されておられることに説得力がらありますね。チューニングカーはいつの時代も優等生ではなく、悪っぽさ…ここが重要と思います。それらを高次元で成立させたTC380には憧れます。ワークスに挑むプライベーター的な味でしょうか。アライさんは別格。山形県から出られた小関さんも別格。STELLA55さんのようにダンディズムはありませんが、僕も日々の通勤はスーツに黒短靴でBRZに載っています。ドラシュー履きたいのですが、ビミョーなバランスになってしまうので、やめてます。
残雪の残る風景に心を洗われた気がします。
ロードレーサー乗り増えましたね、蔵王もそうです。もう少し道路整備していろいろな(クルマ)が楽しめる世界、環境を作り出したいですね。タイヤサイズのご意見もありました、19インチ、20インチと大径化していますがやはりこのクラスは18インチなのですね。僕は小径ホイールに厚みのあるタイヤの組み合わせが好みです。昔乗ったランエボⅢやVR4はDTMやOZの16インチでした。この当時はじゅうぶん大きいと感じたものです。
投稿: HAZ | 2019年4月17日 (水) 00時20分
HAZさん
国分町のダウンヒル、いいなぁ。
ダンディズムの対極のような私です(笑)
おっしゃる通り、チューニングカーの醍醐味は”悪っぽさ”だと思いますが、見た目ほぼノーマルでここまで変えてくるアライモータースポーツ凄いと思いました。
”親分”の実績は忘れてはなりません。
赤城山、スバルには本当に縁の深い山です。
自転車文化の進展は驚きます。
その中で共存の道を探っていきたいです。
DTM、OZの三菱ターボ軍団!カッコいいなぁ・・・さすがです。
タイヤは50~55くらいが一番良いと思います。
日本の山道は平滑でないですものね・・・。
BRZ RA Racingの205/55 R16は実は赤城山でも最高です。
ダウンヒルでは真剣に飛ばすTC380より速いかもしれません。
投稿: STELLA55 | 2019年4月17日 (水) 12時05分
STELLA55さん
TC380のSと違うフロントアンダースポイラー、バッヂが悪っぽくてかっこいいです。丸出しではなく、このさりげなさ…そして中身は違うぞ…ここが重要だと思います。国分町、機会あれば是非ご一緒させてください。ご案内申し上げます(笑)V系は本当に良いクルマですね。三菱がいつかランエボ復活させて以前のような良きライバルとなれればもっともっと盛り上がるのではと懐古しております。ラリーカーって素敵です。ターマックもグラベルもドライバーの腕とナビゲーターの緻密な計算で駆け抜ける。セリカ、インプ、ランエボ模型を並べて楽しんでいます。GC8同様ランエボⅢも軽くて良いクルマでした。また乗ってみたくなりました。
投稿: HAZ | 2019年4月18日 (木) 21時17分
HAZさん
国分町、いいなぁ・・・七夕にはいきたいです!
ランエボ・インプ対決、凄かったです。
将来的にEVでもHVでもまた青と赤黒の対決見たい!
エボⅢやGCの1300kg切るくらいの2LターボAWDの軽快さ、素晴らしかったです。
私もGC8のVer.5あたりを欲しいなぁ・・。
投稿: STELLA55 | 2019年5月10日 (金) 12時56分